“ 御 室 桜 ”


f0374885_09504907.jpg









f0374885_09511988.jpg









f0374885_09513987.jpg














f0374885_09521009.jpg




桜の花が咲きだすと、ある小説家の名を思い浮かべてしまう。その名は梶井基次郎。
『檸檬』(れもん)という題の小説が知られている。
旧制三高の学生であった梶井は、文学青年であり、小説家は結核を患わなければならないという観念に
取憑かれていたようである。ある日吐血し、望みが適い喜んだといういう嘘のような逸話がある。
そして、とうとう結核で亡くなってしまった。

二十代の頃、梶井が住んでいた下宿屋のあった辺りから、寺町通りに出て、通りを南に下がり二条の交差点
南東角にある“八百卯”という名の果物屋に行ったことがある。二階のフルーツ・パーラーに入り、大柄の
店の主人に、この店は梶井があのレモンを買った店かと尋ねたことがある。
すかさず(笑顔で) 「そうです」 という返事が返ってきた。小説に書かれた当時は、この辺では果物屋は
この店しかなく間違いなくレモンを売っていたとのこと。
…そんな話をしながらフルーツパフェを食べた。

他愛もない会話に付き合ってくれた主人はすでに居ない。店が閉ってから大分経つが、(後継者はいなかっ
たようである)建物は主(あるじ)不在のまま、時間だけが経過してしまった。主を失った建物は心なしか
寂しげに見える……

で…桜とレモンはどう関係があるのかというと、梶井は『桜の樹の下には』という題で小説を書いている。
その小説の中の「桜の樹の下には○○が埋まっている」という一節が頭から離れないのだ。桜が咲き出すと
きまって頭に浮んでくるのだ。困ったものだ…

“ 檸檬 ” に付きものの “ 丸善 ” だが、一度は京都から撤退し寂しい思いをしていたが、再び河原町通りで営業を始めた。非常に嬉しい










[PR]
by kame-fukusima | 2017-03-13 09:01 | 京都御苑 Kyoto Gyoen Na