カテゴリ:山と渓( 18 )

春の草花




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重たい雪を 真っ白にかぶった
あのやまにも この街にも
そのどこかで どこかで
春を待つ 準備をしている
小さな草たちが 草たちがいるよ



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by kame-fukusima | 2018-01-04 05:30 | 山と渓

北八ヶ岳彷徨 011



「寝坊して外にでると、快晴の朝になっている。今日は元旦。
屠蘇、ユズとミツバのはいった雑煮、ゴマメ、コブマキ、クロマメ、ナマス
などが朝の食事にならぶ。下界の正月には尻を向けても、山の上では、すなおに
人間のよろこびに列席しよう。今日の予定は雨池山と縞枯山との鞍部まで。
苦しい行程ではない。ゆっくりと荷造りをして、小屋の中を掃除してから、
七ッ池に行ってみた。なんというきれいな朝だろう。雪の七ッ池も、池を
かこむシラビソの林も、一年の周期に旅立つ新しい太陽に祝福されて、
まぶしいくらい、いきいきと明るい。純白の雪の上に足跡をつけるのが
申しわけないようだ。」
・・・山口耀久著『北八ッ彷徨』より



元日の朝

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by kame-fukusima | 2018-01-01 05:00 | 山と渓

北八ヶ岳彷徨 010



「・・・十二月三十一日の落日が見たい!
横岳北峰頂上、十七時0分。劇はすでに終っていた。
遠い穂高の城壁を真っ黒に浮きあがらせて、
一年の終りの空が山火事のように燃え残っていたが、みるみるうちに
黒ずんで、消えた。風だけが激しく私を打った。流れ飛ぶ雲の裂け目
から氷った月がのぞいて、青い私の雪の上にあった。」
・・・山口耀久著『北八ッ彷徨』より



落 日

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by kame-fukusima | 2017-12-31 06:00 | 山と渓

北八ヶ岳彷徨 009




「・・・切りっ立った線はそのてっぺんに登ってやろうという人間の本能を
挑発するが、なだらかな面はそういう情熱を刺激しない。だから北八ッの
山歩きには、かならずしも頂上を必要としないのである。道のない原生林
の中をさまよってよろこんだり、森にかこまれた小さな草原で無心な夢と
たわむれたり、人のいない湖の岸辺で山の静けさに耳を澄ませたり、要す
るに登山という構えた言葉よりも、山歩きとか山旅とかいうおとなしい
言葉のほうが、このおだやかな山地には、すなおにひびく。」
・・・山口耀久著『北八ッ彷徨』より




道 標

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by kame-fukusima | 2017-12-30 06:00 | 山と渓

北八ヶ岳彷徨 008



「北八ッは森の高地である。鬱蒼とした針葉樹の原生林がいちめんに、
なだらかな山々の起伏を被い、山奥の澄んだ湖がひっそりと森のしじま
を映している。この裏八ヶ岳ともいうべき蔭の濃い山域には、八ヶ岳の
本峰である南八ヶ岳の、あの気負い立ったような激しさと鋭さはないが、
そのかわり、いつまでも人の胸に残るような、奥ぶかい静けさに充ちた
安らぎがある。」
・・・山口耀久著『北八ッ彷徨』より




道 標

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by kame-fukusima | 2017-12-29 06:00 | 山と渓

北八ヶ岳彷徨 007



「北八ッでは、何時までにあの峠に着いて、何時にあの頂きを出発しなければ
ならないというような、時間にしばられた歩き方はしない。いいところがあれば、
ねころんで煙草を吸って、いろんな空想をあたためたり、ヒガラやメボソのきれい
な声に耳を傾けたり、気がすむまで腰をあげない。気がむいたら、予定を変更して、
まだ陽の高いうちから天幕を張ったってかまわない。
思い出の質量というものは歩いた距離にばかり比例するものでないということを、
この山地の気ままな山歩きが教えてくれたからだ。歩いた時間よりも休んだ時間
のほうが長かったというような日が、私の山日記にはいくらでもある。」
・・・山口耀久著『北八ッ彷徨』より




道 標

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by kame-fukusima | 2017-12-28 06:00 | 山と渓

北八ヶ岳彷徨 006



夕日を眺めるには山頂からと思い“ランプの小屋“を出たのはよいけれど、
とても落日には間に合いそうもなかった。適当な場所を見つけ、早い速度
で刻々と移り変わる雲の形、色合い、そしてシラビソの木立や白い雪山に
映る夕焼けの赤い色を楽しんだ。一日の終りは劇的だった。

荘厳なショーが終ってからは、雪明りをたよりに小屋へ引き返さなければ
ならない。ヘッドランプの明りは頼りなく、雪の踏み跡を見失わないよう下
ばかりを見て歩いていると突然踏み跡が消え、左足が膝上まで雪の中にめり込んだ。
この道はさっき歩いてきた道と違うのではないか、と疑問が浮んだ。

「すでに記憶は混乱していた。見おぼえのあるような、ないような樹々が、
私をとり巻いて立っていた。頭の奥で神経がジーンと鳴っているのが感じられ、
自分の心臓の鼓動がこめかみにひびいた・・・。
そういう時である、しびれるような森のしじまの中から、なにか眼に見えない
けものたちや、年老いた樹木たちのささやきが、ひそひそと聞えだすのは。」

「落ち着け、落ち着け」と自分に言い聞かせ周りを見渡し、もと来た道を引き
返した。下ばかりを見て歩くとつい分岐を見落とすことがある。道を間違えて
谷筋へ迷い込んだことが幾度となくある。引き返すのはとても決意のいること。
下りを選ぶ方が気分的にも体力的にも楽なのだ。
遠くに“ランプの小屋”の灯が見えたときは、ほっとしたものである。



道 標

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by kame-fukusima | 2017-12-27 06:00 | 山と渓

北八ヶ岳彷徨 005




『北八ッ彷徨』という本があることはご承知のとおり。
この随想集は、北八ヶ岳をテーマにした名作という位置にあるようだ。
だいぶ以前に手に入れようとしたが、長らく絶版になり手に入らなかった。

私も北八ッの森を歩いていた時期があった(人生をさまよっていたような
気もするが)。
ある日、黒百合ヒュッテに宿をとった。
あったのである。・・・『北八ッ彷徨』が。
多くの“岳人“が手にし読んだであろう古色の付いた本であった。
持って帰りたい衝動に駆られたが、そこは理性がはたらいたようである。
その場で貪るように読んだ・・・

絶版後二十年が経ち新版の『北八ッ彷徨』が出た。
私の読んだ本は、2008年初版第1刷(新書版)とある。
初めて読んだときから二十年の年月が経ち、あの時読んだ感激は薄れてしまったが・・・




道 標

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by kame-fukusima | 2017-12-26 06:00 | 山と渓

北八ヶ岳彷徨 003





「噴煙をのせた浅間の左右に上越、北信の山山が雲のように浮ぶ。
だがそれにも増してすばらしいのは、眼の下に見下ろす裾野の斜面
の雄大なひろがりだ。それはひとを黙らせるほど大きく広い。
ぼっとかすんだ空気の底に、ふもとの森や村が点々とちらばって、
人間たちの生活がひどく小さく遠く見える。」
・・・山口耀久『北八ッ彷徨』より





北八ヶ岳

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by kame-fukusima | 2017-12-25 06:00 | 山と渓

北八ヶ岳彷徨 002



いつの頃だったか・・・年齢は二十歳のころだっただろうか。
神田神保町のアルバイト先の先輩から、次の日曜日に南アルプスに
行かないかと誘われた。その頃鬱々とした気分に襲われていたので
気分転換にいいかな、と承諾した。
登山の経験はほとんど無かった(中学生のときに会津磐梯山と茶臼岳
に登った程度)。
季節は初冬(11月下旬)、もしかしたら積雪があるかも知れない
とのことだった。ピッケルは貸してもらい、使い方を登山の途中で
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行き先は鳳凰三山縦走、新宿発の夜行列車に乗り、“日帰り“の山旅
だった。
このとき南アルプスから眺めた八ヶ岳連峰の美しさは忘れられない
思い出である。



縞枯山

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by kame-fukusima | 2017-12-24 06:00 | 山と渓

京都と各地で見かけた光景を投稿します。リンクは自由です。


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